ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【5】2019ドラフト 2日目 & ボールドウィン引退へ

 シーホークスには2日目のドラフト開始時、2巡目37位、3巡目92位、4巡目114位、4巡目118位、4巡目124位、4巡目132位、5巡目142位、5巡目159位の指名権がありました。
 37位指名の時点でパンサーズとトレードし、2巡目47位、3巡目77位を得ます。そして47位でFSのマーキス・ブレア(Marquise Blair)を指名しました。その後の3巡目77位と4巡目118位の指名権をペイトリオッツにトレード、2巡目64位指名権を得たシーホークスは、WRのD.K.メットカルフ(D.K.Metcalf)を指名します。その後さらに、3巡目92位と5巡目159位指名権をバイキングスとトレードし、3巡目88位、6巡目209位の指名権を得ました。88位で指名したのはLBのコディ―・バートン(Cody Barton)でした。
 最終日の指名権は4巡目114位、124位、132位、5巡目142位、6巡目209位となります*1

マーキス・ブレア

 NFL.comのダニエル・エレミア(Daniel Jeremiah)は、スクリメージラインで非常にアグレッシブであることを評価し、ダウンヒル向きの選手だと分析しています*2
 ジョン・シュナイダーは、コンバインでのワークアウトを見てコーナーでもプレイできると考えたこと、熱心に試合のテンポを決める人物で、本当にタフで、怖いほどにタフな選手だということを語っています。また、ピート・キャロルは、ブレアはカレッジ時代に両方のセーフティスポットでプレイしていたものの、ストロングセーフティからスタートさせることを考えていると言います。そこで彼にできることがまだあると分かっているので、インサイドの位置でスタートさせるようです。スクリメージラインのアタックが本当に素晴らしい、ブリッツもタックルもヒットもうまい、本当にそのタフさに期待していて、だからこそ本当に良い選手に成長する見込みがある、と語っています*3
 PFFによると、昨シーズンの彼のカバー成績はドラフト資格者において2位の88.0を記録しています。

D.K.メットカルフ

 NFL.comのダニエル・エレミア(Daniel Jeremiah)は、シーホークスと彼はまさしく完璧なフィットだとし、メットカルフはボールを追う能力に長け、ボールが宙に浮いた後の調整力も持ち合わせているとしています。一度ボールを手にすればもう彼のもので、リーグトップのディープスローQBのウィルソンのもとに落ち着いた、と評価しています*4
 シーホークスはここまで残るとは思えなかったメットカルフを獲得できる機会に面し、上位指名へのトレードを行いました。これはシュナイダーもキャロルも認めているところです。キャロルは彼のスピードとそのレシーバーにはめったにないサイズに期待しており、パスゲームのみでなくランゲームにも対応できる力量があるとし、ランゲーム中心のシーホークスの大きな要素になると考えているようです。さらに、素晴らしい力強さでスクリメージラインから「発射」されるメットカルフは、プレイアクションでも助けになってくれると期待しています。そのスピードでフィールドに繰り出してほしい、ほかの選手との補完のなかでディフェンスを脅かしてほしいと言います。ボールドウィン、タイラー・ロケットというレシーバーにはなかったそのサイズとスピードのコンビネーションは、スプリットエンドで多い1対1のマッチアップにおいて有利に働くのであり、それがQBとの相性も含めてうまく機能すれば、最高の武器となると何度も強調しています*5
 PFFの成績を見ても分かるとおり、今ドラフトで期待され続けていたトップレシーバーです。


コディ・バートン

 NFL.comのダニエル・エレミア(Daniel Jeremiah)は、バートンはアウトサイドで活躍できるLBで、TEのカバーに使えるとしています。コミュニケーターの彼はショートエリアの突進に長けているようです*6
 ウィークサイドとミドルでの起用を考える一方、ディフェンスとスペシャルチームの両方で多くをこなせることが、シーホークスがトレードで上位指名権を得て彼を獲得した理由のようです。シュナイダーはLBの3つすべてのスポットでプレイでき、スペシャルチームでも目を見張る選手だと評価しています。ボックスのインサイド、ミドル、ウィークサイド、そしてスロットの外側でもプレイできるとキャロルも言い、頭脳派で多くのコミュニケーションをこなす選手だとしています。その多才さが重要で、スペシャルチームの選手としての才能も評価していると言い、経験豊富な選手たちに学び、活躍を期待しているとしています*7
 PFFによると、ミスタックル率がドラフト資格者の中で最も低いのがバートンです。


ボールドウィン、引退へ

 NBCsportsのジョシュ・アルパー(Josh Alper)は、シュナイダーが、ボールドウィンが引退を考えていることを伝えたと報じています。またキャロルは、彼がもっているものすべてを出し切ってくれたこと、チームのみならずコミュニティやその他のものへも大きく貢献してくれたことを語っています。ボールドウィンを全面的に信頼しており、彼の今後の考えにすべて従うとしています*8
 また、ESPNのアダム・シェフター(Adam Schefter)によると、ボールドウィンの2018年シーズンのケガは両膝、肘、肩、股関節、尻におよび、オフシーズン中に膝の治療をしたもののこのケガがなお懸念の理由となっていた、とキャロルが語ったということです。シュナイダーも、彼がそのキャリアにおいて、さまざまな異なる道のことを考え、リーグや団体の仕事があることを考えたということを明かしています。
 ボールドウィンは昨シーズン12月、自分のキャリアの低迷を認識したようです。ただその1週間後、チーフスに勝った試合で、シーズン最高のプレーを見せています。
 ケガにもかかわらずインパクトのある選手でしたが、2018年シーズンのレシーブ獲得ヤードは、2012年以来最低の612ヤードでした。
 2019年のボールドウィンサラリーキャップは9.25Mドルの予定です。
 シュナイダーはまた、メットカルフの指名は、ボールドウィンのケガや彼の引退の意思に起因するものではないと強調しています*9

私見

 2日目はやはり、まずセカンダリーの強化が重点にあったのではないでしょうか。CBとしての動きも期待できるSのブレアの指名は、セカンダリーの改革において重要になると思います。首脳陣の評価が正しければ、「ポストLOB」の構築において大きな役割を果たしてくれるのではないでしょうか。WRの指名、それも大注目のメットカルフを指名したのは、ディフェンスに目が行きがちだった今回のドラフトで奇跡的な機会をものにした戦略的な勝利だったといえるかもしれません。オフェンスが2019シーズン、メットカルフを中心に動くのは必至だと思われますが、現行の選手たちの良さも織り交ぜながらのゲームに期待したいです。3巡目、LBを指名したのは少し驚きでした。LBはケンドリクス、ワグナー、ライトのトリオの起用が考えられているようですが、グリフィンらとの新たな世代としての活躍や、ピート・キャロルらも言っていた、スペシャルチームでの活躍がメインになってくるのかもしれません。残りの指名はOTやセカンダリーの獲得に使われる可能性が高いと考えます。
 ボールドウィンの引退の意思表明の一報は、肩の力が抜けてしまうものでした。ピンチのとき、ここぞというとき、救ってくれるのは彼だったように思います。昨シーズンのチーフス戦は彼の集大成と言ってよかったのかもしれません。オフシーズン中のケガも今シーズンを棒に振るものではないという見解が多かっただけに、残念です。
 ただ、ますますメットカルフに期待が集まりますね。ずば抜けたスピードと、何といってもあの巨体は、相手セカンダリー陣を脅かすこと間違いなしでしょう。

 今回は以上です。