ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【7】2019ドラフトを終えて 各ポジションの今後 & TE補強

 2019ドラフトが終了し、現地では第2弾のワークアウトが開始されました。

 今後はスターター争いとなりますが、現地紙のSeattle Timesが今後のポジションについての分析を行っているので、それを紹介したいと思います*1*2。また、ペイトリオッツのTEジェイコブ・ホリスターとの契約も発表されましたので、そちらも解説します。

 

1.各ポジションの今後

1-1.WRについて

 まずWRは、ダグ・ボールドウィンの引退が確実視されていく中でその指名が最優先となりました。1981年以来ドラフトで3人のレシーバーを指名するのは初、7巡目まででそれが行われたのはチーム史上初のことになります。

 スピ―ドのあるレシーバー指名も優先とされ、実際メットカルフとジェニングスはコンバインの40ヤードダッシュで、トップ10入りの選手です。ピート・キャロルも、ラッセル・ウィルソンのスローで有利になるようにフィールドを走る選手が最高であり、ロケットとともに動ける人材も必要だとしています*3 

 Seattle TimesのBob Condottaは、WRは5人か6人に絞られることとなり、ドラフトのトップ120入りのメットカルフとジェニングスが、タイラー・ロケットやデヴィット・モーアとともに起用されるだろうとしています。ジャロン・ブラウンとアマラ・ダーボーはシーホークスを去ることになりそうで、ウルサとマリク・ターナー、カレブ・スコット、キーナン・レイノルドが最後の席を争うことになるようです。また、おそらく1人か2人をドラフト外で追加することになるとしています。

 キャロルも、レシーバーは熾烈な競争になると考えています。実際、モーアは伸び悩んでおり、ブラウンは昨年、最高5.5Mドルの2年契約を結んだのち、14のレセプションしか決めていません。ブラウンのリリースになれば、2.75Mドルのセーブができることになります。

 

1-2.LBについて

 K.J.ライトとマイカル・ケンドリクス、ボビー・ワグナーの存在から、LBの指名の必要性は高くなかったのは事実です。しかしキャロルはLBのレベルが良いとして指名を決めたようです。また、LBのドラフトは、ライトの後継やケンドリクスの保護策、さらにはワグナーの契約が難航した場合の後継として考えられたようです。また直近の対策として、昨年のグリフィンやミンゴ、カリトロのように、ケガの場合の選択肢を広げておくことも考えられたようです。

 ワグナーがミドル、ライトとケンドリクスがウィークサイドの候補となっている中、2つのインサイドを残りのオースティン・カリトロ、シャキーム・グリフィン、ルーキーのコディ・バートン、ベン・バーカーベンが競うことになりそうです。グリフィンについては、ウィークサイドのみならずそれ以上の役割を担う可能性があります。
 ただLBの誰にとっても、その起用において安心はできません。バートンもバーカーベンも、バーケビアス・ミンゴが昨年スターターだったストロングサイドを競えませんが、ケンドリクスはプレイでき、ライトもそこでキャリアを開始しています。2人のルーキーの追加によってコーチ陣は選手たちに別のスポットを試させて動きを見ることになります。
 また、価値があるか定かではないことですが、ミンゴのリリースはシーホークスに3.6Mドルのセーブをもたらすということです。

 

1-3.Sについて

 2年前にもシーホークスは、アール・トーマスとカム・チャンセラーのコンボの後継のため、テドリック・トンプソンとデラノ・ヒルを指名しましたが、今回再びSの2人の追加を行いました。Sで唯一の確定要素のブラッドリー・マクドゥーガルドにこの4人が加わることになります。そして、ストロングでもフリーでもプレイできるマクドゥーガルドに対し、シャロム・ルナイを加えた5人の中から、彼にとってベストなペアを見つけることになります。
 キャロルいわく、みなマクドゥーガルドよりずっと若く、決定までに何度もコンペが必要になるということです。

 

1-4.RBについて

  C.J.プロサイズはルーキー契約の最終年を迎えますが、出場可能な48試合中16試合のみのプレイにとどまり、今年が勝負の年となりそうです。J.D.マキシックについては、過去には2ミニッツ時や3rdダウンシチュエーションで起用されていましたが、現在はRBとしてではなくリータン専門で起用しており、必要に応じてRBとしてもレシーバーとしても使える選択肢を残しているようです。

 トラビス・ホーマーはクリス・カーソンやラシャード・ペニーのバックで、2ミニッツ時や3rdダウンで起用される可能性があります。マキシックと異なりリターンについてはアマディやジェニングスの経験値が選択の幅を広げることになります。

 

1-5.スペシャルチーム

 バートン、バーカーベン、ブレア、アマディはスペシャルチームの不調和を止めるための指名だったといえるようです。実際、昨年の49ers戦でのキックオフリターンタッチダウンカーディナルズ戦での2回のパントブロックはスペシャルチームの欠陥を示すものです。
 キャロルはジェイソン・マイヤーズがキックによってスペシャルチームを盛り上げてくれることに期待していますが、スピードが早く、アグレッシブな、ハードヒットのできるスペシャルチームユニットが必要であるとも考えているということです。

 

1-6.OLについて

 今回指名は1人だけでしたが、昨年からマイク・ソラリ―のもと、OLが再生されてリーグトップのランオフェンスを築いたことに、シーホークスは満足しているようです。
 現在、スターターのうち4人(デュオ―ン・ブラウン、ジャーマン・イフェディ、ジャスティン・ブリット、D.J.フルーカー)は残留し、J.R.スウィージーに代わってFAでマイク・イウパティが加わっています。ジョージ・ファント、ジャマルコ・ジョーンズ、イーサン・ポシック、ジョーダン・シモンズ、ジョーダン・ルースという若手もチームにいますので、ヘインズを加えた11人が8つのポジションを争うことになります。
 イフェディはルーキーの最終年に入りますが、まだ5年目オプションを行使していないため、Tを指名するかもしれないという向きもありました。Gのへインズのみの追加はイフェディの残留を意味することになるようです。トム・ケーブル下の素早さや運動能力の主眼とするスタイルに比べ、ソラリ―の下でのフィジカルな拳に焦点を合わせる最近の傾向に対し、ヘインズの指名は合致している、としています。

1-7.パスラッシャーの今後

 パスラッシャーの補強は今後の重要課題となります。コリア―は5テクニック中心で、シーホークスに特徴的なLEOや、EDGEでプレイすることは見込めません。
 シュナイダーはチェイス・ウィノヴィッチに見込みがあったと語りますが、メットカルフの指名のためのトレードによって彼をペイトリオッツに指名されることになりました。おそらく、メットカルフの指名が最優先だった結果のようです。
 FA市場にはベテランが多く残っています(ニック・ペリー、エゼキール・アンサなど)。ただ、2020年の補償ドラフト指名権を考慮せずにFA契約に持ち込むため、5月7日までベテランとの契約はされないだろう、としています。

 

2.TE ジェイコブ・ホリスターとの契約

 シーホークスは2020年7巡目指名権とトレードで、ペイトリオッツからTEのジェイコブ・ホリスター(Jacob Hollister)を獲得しました。

 シーホークスは4人のみのTEの補強が必要であり、ウィル・ディズリーが膝のケガを抱えていることから、この獲得に乗り出したようです。

 ホリスターは現在25歳、2017年にペイトリオッツドラフト外FAで契約、2017年と2018年にそれぞれ1試合ずつ出場し、8キャッチ、94ヤードを記録しています*4

 

3.最後に

 WRはロケット、モーア、メットカルフ、ジェニングスがスターターになることは間違いなさそうですが、残りの1人もしくは2人は、今後のレシーバーとの契約もありそうでまだ何とも言えません。ただ、スピードのあるルーキーも加入し、シーホークスの一新されたオフェンスが生まれそうなのは確実です。LBは指名に少し驚いたポジションですが、現行のベテランたちの後継なども視野に入れられていることも考えると、ここも新たなディフェンスの形となりそうです。個人的にはワグナーとの契約はうまくいってほしいところで、しばらくはライト、ケンドリクス、ワグナーのトリオに期待したいです。SもLOB時代の最強コンビに代わる次世代を探り始めており、だれがマクドゥーガルドとSを務めるのか楽しみなところです。トップ50位以内で指名されたブレアがかなり有力なのではないかと思われます。TEの補強も進みました。今後このポジションもスターター争いに入っていくでしょう。

 補強ポイントが着実につぶされていく中で、EDGEの獲得が今は最優先となっています。ニック・ペリーは有力ですし、エゼキール・アンサはシーホークスを訪問しています。話はズレますが、DTにおいてエンダマカン・スーと契約できればその威力は凄まじいですが、その市場価値などを考えると非常に困難でしょう。

 

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