ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【45】TEオルセンとの契約詳細 & CBスレイの獲得なるか


①TEオルセンと契約

契約の詳細

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 1年7Mドル、5.5Mドルの保証金という契約で、超ベテランTEのグレッグ・オルセンシーホークスに加わることとなりました。パンサーズからリリースされているため補償ドラフト権のコストがかからないという点が、この契約で特に注目される点です。13年のキャリアで718キャッチ、8444ヤード、59TDを記録するオルセンですが、怪我の影響で2017年以降成績が落ちています。一方で、昨年はまだまだプレーできることを証明し、52キャッチ、597ヤード、2TDを記録しています。*1*2

TEグループの今後

 レッドスキンズ、ビルズとも交渉があった中で、オルセンシーホークスに加入するに至った決め手はウィルソンの魅力だったとされます。week1から出場できる可能性が非常に高いとされる*3ディスリーとともに、TEのワンツーパンチを担うことになりそうです。昨年の後半で活躍を見せたホリスターはNo.3となりますが、オルセンとディスリーの怪我の心配からもその役割は重要となります*4。2020年がオルセンの最後の年となるという予想が大半*5ですが、シーホークスのジャージでスーパーボウルの舞台に再び立つことはできるでしょうか。

②CBスレイ獲得の可能性

スレイの名が挙がる理由

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 オフシーズンのCB問題において、ライオンズのCBダリアス・スレイのトレードの噂が囁かれ始めています。
 右サイドのCBについては前回も少し言及した通り、フラワーズがグリフィンのように3年目の飛躍を見せるかもしれず、彼の成長という点を考慮する見方は多くなっています。しかしフラワーズが軌道に乗れない場合も考慮すべきであること、また、プロボウラーのグリフィンと、平均以上の能力を示したマクドゥーガルドとディッグスというS陣がいる中で、アウトサイドCBの追加がキャロルの思い描くカバー3の成功につながることなどから、スレイの獲得は重要になります。
 昨シーズンは13PD、2INT、46タックルを記録しているスレイは、7年のキャリアで19INT、104PDを記録するベテランです。今年は4年、48.15Mドルの契約の最終年にあたります。*6*7*8

クラウニーと絡む契約金問題

 スレイはTwitterで、ドルフィンズのゼイビア・ハワードを超える契約でリーグ最高額CBになりたいことを示唆しています。年15Mドルの契約が妥当とされ、2020年のキャップヒットについては13.4Mドルとなっています。またシーホークスとしては、トレードのためには2つある2巡目指名のどちらか一方を手放さなければならないというギャンブルに出ることになります*9
 他方でシーホークスは、昨年のクラウニーとの契約で、チーム改善のためならば適正な金額で1年レンタルをすることも辞さないことを示しています。このまたとない機会でセカンダリーをアップグレードできれば、ドラフトではOL、DL、WRといった他の重要ポジションに注力できることになります*10
 スレイとの契約金と関わってくるのが、最重要事項であるクラウニーとの再契約です。クラウニーは、勝てないうえに金額を提示できないチームにはいたくないということを明言し、スーパーボウル制覇を第一に掲げています。そして「市場価値に見合う」契約金を求めています。リーグを見渡せば、アーロン・ドナルドは6年135Mドル、カリル・マックは6年141Mドルの契約を交わしています。ドナルドとマックが8年連続で2桁のサック数を誇っているのに対し、クラウニーは9.5が最高であるというのが実際ですが、シーホークスと再契約の場合、クラウニーは最高額ディフェンス選手となることになり、これはQBウィルソンの契約金を上回ることになります*11

③ まとめ

 メットカーフ、ロケット、ディスリーに加え、ベテランのオルセンが加わったことで、ウィルソンのパスターゲットは多様性と攻撃性を増すことになりました。TEへのパスがキャリアにおいても多いウィルソンにとって、オルセンは強力なプレーメーカーとなります。オルセンの加入はTE不足に一定の解決をもたらし、ドラフトにおける優先順位はさらに下がることとなりました。
 優先課題のひとつであるCB問題について、FAでのベテランCBの追加が必要であることと、同時にクラウニーのキープが困難であることをこのブログでも何度か述べさせていただいていますが、CBスレイのようなベテランの獲得はこの点で重要になると思います。最高額CBとしての契約を彼が求めているとしても、シーホークスにはそれに応える十分なキャップスペースがあります。また昨年のクラウニーや今回のオルセンとの契約で、正当な金額提示やチーム改善の姿勢が示されています。一方でクラウニーとの契約には、今年のキャップスペースでもさすがに厳しくなる契約金が求められます。超高額のQBウィルソンとLBワグナーを抱えるシーホークスが、リーグ最高額ディフェンス選手をも手中におさめることは可能なのでしょうか。豊富なキャップスペースの有効的な使い道としては、CBのトレードやFA追加が結局のところ必然的になってくると思います。
 そしてここからドラフトを考えれば、優先度の高いEDGEの獲得に上位指名権が使われ、同時にOLの獲得にも専念できることになります。スレイが加われば、昨年末に加入したディッグスがいるシーホークスで、元チームメイト同士が再びタッグを組むことができます。シーホークスがライオンズ化しているのか、ライオンズのセカンダリーがシーホークス化しているのか分かりませんが、2人の関係性はプラスに働くはずです。スレイはサイズからもまずまずのシーホークス的CBの1人ですが、トレードとなれば2巡目で新人CBを得られた潜在的チャンスを失う可能性もあります。FAに目を向けると、バイロン・ジョーンズが年約14Mドル*12で契約できる可能性があり、契約金からもギャンブル的要素が少ない点からも注目されます。
 懸念されるのはセカンダリー陣の年齢層が高くなることです。また、オルセンの1年契約も含め、短期契約選手を増やして2020年のスーパーボウルのみに注力する形になれば、2021年オフシーズンの契約問題や、長期的な改善が見られない結果につながるかもしれません。キャロルたちがいつも求めているのはコンペティションであり*13、フラワーズやグリフィン、ドラフト選手たちがそこで力を発揮し、成長できるかは重要になります。