ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【43】TE考察 (グレッグ・オルセンの訪問に際して)

現在のTEについて

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 シーホークスのTE陣については、ディスリーがアキレス腱断裂から復帰しつつある一方、シーズン1年を欠場したディクソンはリリースの対象になると見られ、ルーク・ウィルソンUFA、ホリスターはRFAとなります*1
 2019-2020シーズンを振り返ると、今となっては遠い昔のことのようですが、ディスリーが開幕5試合で23レセプション、262ヤード、4TDを獲得し、トップTEの仲間入りを果たしました。キャリアでの41.8ypgはジミー・グラハムの47.6に次いでチーム史上2位となっています。
ディクソンの復帰の可能性を受けてヴァネットが5巡目指名権とトレードされ、クアンドレ・ディッグスが結果的に加入することとなりました。しかしディスリーの怪我と、ディクソンのIR入りから、もとはルーク・ウィルソンの補完であったホリスターがウィルソンの怪我を受けてスターターとなります。ホリスターは全1107スナップ中514スナップに出場し、出場した毎試合で最低でも2キャッチを記録しています。ジョージ・ファントもTとブロッキングTEとして登録されていましたが、UFAとなります。RFAのホリスターとの再契約は時間の問題で、彼が来シーズンも活躍することは必至ですが、ルーク・ウィルソンはリリースされる可能性が非常に高くなります。*2


グレッグ・オルセンシーホークスに加入するか

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 そんな中で話題になっているのがグレッグ・オルセンの存在です。パンサーズからリリースされ、FAとなるオルセンは、レッドスキンズ、ビルズ、シーホークスを訪れることとなっています。トランジションタグのさなか、契約の残り1年を残してリリースされた(2020年に11.6Mドル)ため有用であり、パンサーズからカットされていることで、補償ドラフト権にも影響しません*3
 2018年までの2シーズンで16試合を欠場していたものの、2019年に14試合、52キャッチ、597ヤード、2TDを記録しており、疑いのないトップTEの1人です。チームとしてもオルセンとしても相互に袂を分かつことになった理由として、後退しつつあるチームではプレーしたくないという本人の気持ちがありました。
 シーホークスは3シーズンで確実に改善を図っているチームであり、またザック・ミラー、ジミー・グラハム、そしてディスリーやホリスターといったTEへのパスの多いQBのもとで、再び活躍できるという機会をシーホークスが与えることができるのはアドバンテージになります。ディスリーの復帰の可能性が高いものの、アキレス腱の怪我は油断のならないものであり、オルセンとの1年契約はディスリー復帰のブリッジとなるとともに、若いTEの台頭にもつながります。
 一方でランブロッカーとしては疑問符が付くオルセンが、ランオフェンスに貢献できるかという点は問題になります。*4*5*6
 忘れてはならないのが、オルセンが訪問するレッドスキンズにロン・リベラがいることです。2011年にリベラをHCに迎えたパンサーズは、同じ年のオフシーズンにオルセンを獲得しており、リベラHCとオルセンは時を同じくしてパンサーズを去ることとなりました*7。この2人が再び同じチームのもとでタッグを組むことは自然な流れとも言えます。また、オルセンがフィールドには戻らず、FOXの解説者として働く可能性も十分に考えられています*8
 オルセンの他に、シーホークスがオースティン・フーパーに興味を示しているとも噂されます。FAのTEは他に、エリック・イーブロン、ハンター・ヘンリー、タイラー・アイファートがいます。ドラフトではTEクラスは少ないものの、ディスリーを指名したときのように2日目、3日目にポテンシャルを持った選手を見つけられるかもしれないとも考えられます*9

まとめ

 パスラッシャーとの契約が最優先である中、同時に考えなければならないTE問題において、安価で抑えられるオルセンとの契約は非常に「おいしい」話です。ランブロッキングの点からファントを放出しないとなると、LTアイフェディの放出が考えられ、TE問題はOLのFAとも関わってくる話になります。また、1年レンタルとなれば昨オフシーズンにも見られた記憶に新しいものですが、レンタルされたクラウニーとの契約問題、またその他のエッジの成長という点を考えると、1年契約のベテランを増やすことが必ずしもチームにプラスに働くとは言えないかもしれません。