ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【29】2019-2020シーズン week8 vs.Falcons

 マット・ライアンを欠いたファルコンズ相手にシーホークスは勝利を飾り、ロードゲームでは4連勝となりました。前半は相手オフェンスを0点に抑え、このアドバンテージのおかげで、まるで別チームのようになってしまった後半の流れを補うことができた、といった展開でした。

1.スコア

1Q 2Q 3Q 4Q
シーホークス 3 21 0 3 27
ファルコンズ 0 0 11 9 20

2.スタッツ

passing cp/at yds TD INT
QBウィルソン 14/20 182 2 0
rushing car yds TD
RBカーソン 20 90 1
RBペニー 8 55 0
receiving rec yds TD
WRロケット 6 100 0
WRメットカーフ 3 13 2
defensive tot sacks TFL
Sブレア 11 0 0
DEクラウニー 3 1 2

3.注目選手

・RBカーソン&ペニー

 カーソンは20キャリー、90ヤード、1TDを決め、タフで忙しいゲームとなりました。しばらく欠場が続いたペニーも、8キャリー、55ヤードを記録し、試合序盤でCブリットが抜けた状態でしたが、RB計145ヤードラッシュを獲得しています。

・WRロケット

 6ターゲット、100ヤードを記録したロケットは、特に後半にその比重が高まりました。レッドゾーンでのターゲットが増えるメットカーフは2TDを記録し、ターゲットとなるTEが少ない中でこの2人を中心としたパスゲームが有効に作用しました。

・LBワグナー&ケンドリクス

 ワグナーは1サック、1ファンブルリカバー、1PBUを決め、シーホークスのリーディングLB記録を塗り替える985タックルをマークしました。ケンドリクスはこれまでミスタックルが多かったのは事実ですが、今回INTを記録する活躍を見せています。
 今季はこの2人にライトを加えたトリオLBがディフェンスを支えています。シーホークスは通常のポジショニングで行うディフェンシブスナップが334とリーグ最多で、そのうち166回が、WRが3人以上のオフェンシブフォーメーション、一般的にカバレッジのためにニッケルを置いてDBを5人にするパターンです。ニッケルを置く典型に反して通常のポジショニングでディフェンスを行うのは、3人のLBの能力の高さゆえであり、ライトやケンドリクスはニッケルバックのテイラーより優れていると考えられるようです。今回のケンドリクスのINTも、彼がカバレッジに入っている中で成功したものです。
 パスディフェンスは27位、DVOA(defense-adjusted value over average)は22位と、ディフェンス能力の低さを示す数字がある中で、キャロルはこの方法は機能しているとし、その裏付けとして、ESPNのBrady Hendersonが挙げるデータによると、過去2シーズンでニッケルを置いた場合に許したパッサーレーティングと今シーズンのそれは、それぞれ85.3と85.5で僅差です。

・ Sブレア

 11タックル、1ファンブルフォースを記録したブレアは、先発以来、前途有望のルーキーとなっています。マクドゥーガルドやヒルの怪我、トンプソンの浮き沈みのあるプレーから、ブレアの今後の先発の機会は増える可能性があります。

4.課題

・ 後半

 先発陣を休ませて臨んだ後半ですが、結局彼らをフィールドに戻すことになる試合展開で、キャロルHCもひどいものだったとはっきり語っています。前半の出来がよかっただけに悲惨さが際立ちますが、一貫した流れを維持し続けるための改善は必要です。

・DEクラウニー

 後半、オフサイドの反則を連続していました。これも含め全体では9回のペナルティで60ヤードを与える結果となっています。ただクラウニーは前半終了間際、3メンラッシュでのストリップサックを決め、PBWRはリーグ2位と、ペナルティを帳消しする勢いです。

5.Cブリット、ACL断裂

 フルーカーやブラウンなど、主要OLが戻ってきた試合でしたが(フルーカーについては、ここ数試合で活躍を見せたジョーンズの代替説があります)、試合序盤に怪我をしてロッカールームへと下がったブリットが、ACL断裂で今季絶望となるようです。TEディスリーに続く長期の怪我であり、Cのポジションとして登録されているのは控えのジョーイ・ハントのみとなっています。練習生のGジョーダン・ルースはウェーブされましたが、この件を受けて復帰しています。

6.Sクアンドレ・ディッグスを獲得

 生後3か月の娘とうたた寝をしていたところに、突如かかってきた一本の電話。これがシーホークスセカンダリー陣への招待でした。
 ライオンズで先発も務め、ディフェンスの要の一人であったクアンドレ・ディッグスが、2021年7巡目指名権とともにシーホークスに加入しました(TEヴァネットのトレードで得た2020年5巡目指名権とトレード)。懸念事項であるパスラッシュやTEのデプスには関わりのないトレードでしたが、トンプソンの安定感のないプレー内容や、ヒルマクドゥーガルドの怪我、CBテイラー、フラワーズの状態を踏まえた形です。
 また、練習生にも動きがあり、WRペニー・ハート、LBマリク・カーニーとの契約、DTブライアン・モネのリリースが報じられています。

7.まとめ

 disappointingなシーズンを送っていることで名高いファルコンズは、勝利が必須もしくは確実な相手だったと言え、前半のシーホークスはボールをコントロールして大きく引き離しました。後半の動きは悪く、3回のターンオーバーが非常に重要となりました。
 トレードデッドラインが過ぎた現在、怪我の影響のあるポジションの強化が重要になってきています。Cはハントがサックを許す場面はあったものの、目も当てられないという状態ではありません。しかしそのデプスが乏しいのは問題になります。TE問題に関してはディクソンが練習を開始しており、IRからの復帰可能性に期待が高まります。
 ディッグスの加入は、セカンダリーの怪我や不調を踏まえた追加というのが実際ですが、ディッグスは元ニッケルバックです。先述したLBのカバレッジですが、言い換えればLOB全盛期のLBに深く依存したディフェンスになっています。今回のトレードは、ディッグスがテイラーに代わるニッケルポジションとして、躍進するブレアとともにセカンダリーの強化をすることで、その負担軽減を図ることを意味するのでしょうか。


参考:
https://profootballtalk.nbcsports.com/2019/10/28/seahawks-focused-on-improvement-after-lousy-half/
https://www.cbssports.com/nfl/teams/SEA/seattle-seahawks/
https://www.espn.com/nfl/team/_/name/sea/seattle-seahawks
https://www.espn.com/blog/seattle-seahawks/post/_/id/33409/seahawks-leaning-on-tackle-king-bobby-wagner-and-their-lbs-more-than-ever
https://twitter.com/BradyHenderson/status/1188967061847805952?s=20
https://www.nbcsports.com/northwest/seattle-seahawks
https://twitter.com/FieldGulls/status/1188817779971018753?s=20
https://twitter.com/AroundTheNFL/status/1188946512115486721?s=20