ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【18】ミニキャンプを終えて~パスラッシャーの展望

 

 

 現地では6月11日から13日までの3日間の日程で、ミニキャンプが行われました。

 怪我の選手が多いシーホークスですが、Sのブラッドリー・マクドゥーガルドは状況は良くなっていると語り、TEのウィル・ディズリーも手術から回復中で、ピート・キャロルもその再出発に自信を見せています。その中で、肩の怪我を抱えているDEのエゼキール・アンサは、トレーニングキャンプにも間に合わないようで、フランク・クラークの抜けたあとのパスラッシャーの問題は簡単には解決されていない状況です(ただ、アンサの手術した肩は回復しており、あとは体力の回復の問題であるようです)。今回はパスラッシャーの今後について展望していきたいと思います。

 

現在のパスラッシャー

 

 まず、DTのジャラン・リードは、契約延長の問題もあるもののシーホークスのパスラッシュに必要な存在です。今回のミニキャンプがヘルニア手術ののち最長の練習参加となりました。彼との契約延長は非常に重要になります。

 シャキーム・グリフィンはウィークサイドからストロングサイドへポジションを移動することになるようです。キャロル下のディフェンスにおいてストロングサイドではEDGEとパスラッシュ、2つのスタンスでのプレイが必要となりますが、これはカレッジ時代にグリフィンがやっていたことと重なるため、その点も考慮した移動のようです。

 またシーホークスは、バーケビアス・ミンゴのEDGEでの起用を考えているようです。ただ彼は、497スナップ中パスラッシュは68回のみにとどまっています。

 アンサの試合復帰の時期が見通せない中、グリフィンやミンゴがその「つなぎ」としての役割を果たすように思われますが、一方でアンサ自身がLEOでの活躍を見込めないとも言われています。

 アンサは2017年の怪我以降、膝の曲げにおいて問題を抱えているうえ、5テクニック向きの選手だと考えられるようです。また、ミンゴやカシアス・マーシュといったLBがLEOをつとめる点においては、明らかなパスシチュエーションのみに有効だと考えられます。3rdダウンロングに持ち込み、L.J.コリア―が強力ラッシュをする中、グリフィンやスピードのあるジェイコブ・マーティンを送り込むのが有効のようです。*1*2

 

 カバレッジとの関係性

  上のような分析もあり、個人的にはアンサは(全快すれば)LEOとしての十分な動きが期待できると思います。ただもしアンサがシーホークスにとって十分なパスラッシャーでなくとも、アンサがいない中でのLBによるパスラッシュに不安があるとしても、セカンダリーのカバーとパスラッシュとの関係性は、新たな知見を与えてくれます。

 PFFは5月の初めに次のような分析をしていました。パスラッシュとカバレッジは、データ分析からはどちらが有効か上下関係を見つけられそうですが、パスラッシュが好調であれば相手オフェンスはカバレッジの弱みにつけ込む、というように相手オフェンスに左右される点もあり、持ちつ持たれつの関係性であること、また同時に選手層の強化もそこで重要だということについて示唆していました。*3

 シーホークスセカンダリーの改革も進めています。アンサやLBたちがLEOで動けるかという点よりも、もはやマイケル・ベネットやクリフ・アブリルといったLEOタイプパスラッシャーの存在がない以上、セカンダリーのカバレッジとパスラッシュをセットにして、この点を考えていく必要があると思います。もちろん、特にSはルーキーが多く、カバレッジ自体にも不安は残っているのは事実です。

 

今回は以上です。