ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【17】OTAを終えて&シャキール・グリフィンの輝ける年になるか

 

ブライアン・ショッテンハイマーが語るオフェンス

 OTAを終え、オフェンスコーディネーターのブライアン・ショッテンハイマーが今シーズンのオフェンスについて、いくつか言及しています。

 まず、オフェンスは昨年よりもずっと進化したものになるとしながらも、ピート・キャロルの求めるバランスは変わらないと言います。ここでいうバランスは、ランとパスの比率にとどまらず、オフェンスの一要素が崩れたときに様々な方法で勝利につなげる能力のことだとし、例として昨年のパンサーズ戦で、75ヤードにランが抑えられながらも、ウィルソンが339ヤード、2タッチダウンを決めて勝利を収めたことを挙げています。「それぞれの試合は異なるもので、毎回勝つためのチャンスをどう得るかを考える」のがシーホークスのオフェンスなのです。

 また、OLがオフェンス全体でリーダーシップを発揮してくれるとしています。22年のコーチ人生で、これほどのベテランに囲まれたことはないと、OLのメンバーに自信を見せています。
 レシーバーについて、キーナン・レイノルド、ジャロン・ブラウン、デヴィット・モーアの躍進を指摘し、特にブラウンは昨年から努力してくれて、成熟したレシーバーであり抜きん出た存在だとしています。ESPNのBrady Hendersonは、レシーバー陣についての見解として、ジョン・ウルサらとスロットのポジションを争ったレイノルドが、スクランブルでのウィルソンのパスをつないだ点を指摘し、成功するのに時間のかかる親密さを示したことから意味のあるものだった、としています。

 ショッテンハイマーは、2年目のラシャード・ペニーの成長も評価しており、体重も絞ったペニーはよりよい動きを見せているようです。ペニーは殿堂入り選手の元RBマーシャル・フォークに助言を受けていたようです。*1*2

 

グリフィン兄弟に躍進はあるのか

 

 "inseparable"という書籍の発売が決まったグリフィン兄弟ですが、2人はこのオフシーズンでお互いに変化を見せているようです。 

 シャキール・グリフィンは昨年、自らが間違った考え方をしていたことが分かったと言います。リチャード・シャーマンの後継になるプレッシャーがあったと言い、「そこになかったプレイを求め始めた。そういうプレイをすると自分の役目に集中できず、多くのことに目がいってしまう、それが昨年の自分の間違った考え方だった。」と語っています。グリフィン兄弟は互いの家を訪問する料理人を雇い、兄シャキールは減量、弟シャキームは増量したようです。LBは、パスラッシュのシチュエーションで、スクリメージラインに近い位置とエッジの位置でのプレイに適応するためにその層の強化が必要であるポジションですが、シャキールは弟のLBシャキームについて、カレッジ時代のエッジでのスピードを取り戻しつつあって、家では2人で、シャキームのパスラッシュについて話し合っているようです。スペシャルチームコーディネーターのブライアン・シュナイダーも、スペシャルチームで今年、シャキームが躍進することを期待しています。*3*4

 

私見

 

 ショッテンハイマーの語っているところから順に見ていくと、レシーバー陣はレイノルドやブラウンなど古参の評価も挙がっている中、トップになる可能性の高いロケット、期待の高い多くのルーキーなど、ボールドウィンの抜けた穴埋めのために非常に混沌としています。一方RBは、マイク・デイビスの抜けたあと、カーソンとペニーが主となるのは分かりやすい構図で、残りはレシーバー的扱いのマキシックや3rdダウンのプロサイズ、そして未知のルーキーが並ぶのみです。

 今回、個人的に気になったところはシャキール・グリフィンの今後についてです。CBのポジションはベテランのジャマ―・テイラーの追加はあったものの、ルーキーはドラフト外の選手を除けば、スロットカバーの期待できるウゴ・アマディの可能性があるのみで、昨年からの選手たちにその躍進が期待できるポジションだと思われます。過去の記事で安易にスターター予想をしてしまいましたが、今回特にCBについて詳しく考察してみたいと思います。

見込みあり

 スタッツのみ見れば、①トレ・フラワーズ、②シャキール・グリフィン、③アキーム・キング、④ネイコ・ソープの順でランク付けができます。ちなみにサラリーキャップはソープがCBの中で断トツに高くなっていますが、3月に再契約した彼がスペシャルチームのキャプテンとして活躍があるので、最初の3人がトップ層にあると考えて差し支えなく、フラワーズは昨年、ショートパス(0~9ヤードでのダウンフィールドでのパス)でのパッサーレイティングを、リーグで2番目に低く抑えています。グリフィンは昨年のPFFランクで112人中111位のレイティングを記録してしまいましたが、先述の通りオフシーズンで変化を見せようとしています。

期待可能性大

 ジャマ―・テイラーはブラウンズ時代の活躍が顕著でした。ワイドでのプレイが多いですが、スロットでも動ける人材です。まだ若いフラワーズ、グリフィンに加え、ベテランとしてCBのトップ層になる可能性は十分にあり得ます。その点でキングを上回る選手です。

能力不可知

 残るはカラン・リード、シメオン・トーマス、ジェレミー・ボイキンズ、UDFAのデヴァンテ・デイビス、デレク・トーマスですが、出場機会の少ない選手も多く、また特にルーキーはバックアップになるには早いでしょう。

 

 以上のように考えると今年は、かつてルーキーで躍進を見せたグリフィンが再び躍進するためのチャンスがそろったと言え、彼にとって重要な年になりそうなのです。

 

 

今回は以上です。