ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【6】2019ドラフト 3日目 & ジャ二コウスキー引退へ

 ドラフト3日目の開始時のシーホークスの指名権は、4巡目114位、124位、132位、5巡目142位、6巡目209位でしたが、4巡目114位指名権をバイキングとトレードし、4巡目120位と6巡目204位の指名権を指名権を得ました。
 4巡目120位でWRゲリー・ジェニングス(Gary Jennings)を指名し、124位でGのフィル・ヘインズ(Phil Haynes)を指名し、132位でSのウゴ(チョク)・アマディ(Ugo(chukwu) Amadi)を指名しました。5巡目142位でLBベン・バーカーベン(Ben Burr-Kirven)を指名し、6巡目204位でRBのトラビス・ホーマー(Travis Homer)を指名し、209位でDTのデマーカス・クリスマス(Demarcus Christmas)を指名しました。
 その後ジャガーズと2020年の6巡目の指名権をトレードし、7巡目236位指名権を得ました。その指名権でWRのジョン・ウルスア(John Ursua)を指名しました。

WR ゲリー・ジェニングス

 NFL.comのMark Dulgerianは、その突発的なスピードをウィルソンが気に入ると分析し、ボールドウィンを取り巻く不確定要素の中で、レシーバーの層を厚くするのは理にかなっているとしています*1
 ジョン・シュナイダーはシニアボウルでの彼の活躍を評価していて、シニアボウルでは最速だったと語ります。驚くべき手の能力やキャッチ後の強さも評価しているようです*2

G フィル・ヘインズ

 NFL.comのMark Dulgerianによれば、OLコーチのマイク・ソラリ―は、ジム・ハーボ―の49ersにおいて非常に機能したパワー系のラン攻撃を行おうとしており、ヘインズは見込みのあるタフな選手で、ラン攻撃を成功させると分析しています*3
 体格やプレイスタイルを見て、早くから注目していたとキャロルは言います。その強さやフィジカル面から、すぐにOLにフィットしチームの他の選手たちと競合してくれるだろう、また他の選手たちに匹敵する体格に期待している等と語り、ここ数年OLを変化をさせてきたが、彼の指名もまたそのしるしだとしています。パスプロテクションについては、他の選手同様にうまく、多くをこなすが、我々が期待するフィジカル面において突出していると語っています。また、両サイドをプレイできるものの、LGでのスタートを考えているということです*4

S ウゴ・アマディ

 NFL.comのMark Dulgerianは、アマディはセカンダリー改革中のシーホークスにとって非常に重要な、ニッケルコーナーとセーフティのハイブリットとしての万能さを持っているとし、スロットにおいて起用されることが多くなるだろうが、パントリターナーの役割を競うチャンスもあるだろう、と分析しています*5
キャロルは、彼は多彩でオールラウンドな選手として知られているとし、FSでの起用を考えていて、逆サイドはブレアの予定だとしています。スロットやニッケルでの活躍にも期待し、リターナーのプレイ経験から、スペシャルチームでも期待できると言います。FSやスペシャルチーム以上の重荷を負わせすぎることは避けたいとも語っています。シュナイダーは、低身長である点等についてパシフィック12のHCとも話をしたうえで、フィールドでの彼の存在感は大きいとしています*6

LB ベン・バーカーベン

 NFL.comのMark Dulgerianは、スピーディーで直感的なLBで知られるシーホークスに、バーカーベンがうまく合致しているとし、最高でもNFLのバックアップが限度となりそうだが、彼のフットボールにおけるIQと身体能力の融合は、5巡目という遅い場面では見つけがたい稀有なものだろうとしています*7
キャロルは、彼がユニークな選手で、どの時点で獲得しても目を見張る選手だと言います。また、特徴的な方法でボールの位置を見つけ出す才覚をもち、ランゲームのヒットのうまかった、かつてのシーホークスLBのローファ・タトゥプ(Lofa Tatupu)を彷彿とさせる選手だとしています。その素晴らしいスピードで、スペシャルチームでのラン阻止やヒットもしてくれるだろうと言います。ワシントン大という出身も最高だということです*8

RB トラビス・ホーマー

 NFL.comのMark Dulgerianによれば、シーホークスは、スペシャルチームのカバーユニットで活躍するRBに強い好みをもつが、ホーマーも例外ではなく、ラン中心のオフェンスにおけるバックス陣のローテーションでの活躍の一方で、カバーユニットで頭角を現すだろうということです*9
シュナイダーは、彼について、タフでガッツのある選手で、スペシャルチームや3rdダウンシチュエーションでの動きに期待している、と語っています*10

DT デマーカス・クリスマス

 NFL.comのMark Dulgerianによれば、これはDLのインテリアの強化において、選手層を厚くするための指名になります*11
キャロルは彼を、3テクニックでプレイする選手としてスタートさせようと考えているようです。タフで多くをこなせるので、さらに育てていきたいとしています。また、ノーズタックルでの起用については、プレイはできるだろうが、それを我々は探し求めているわけではなく、まずは3テクニックでの動きを見たいとしています*12
 

WR ジョン・ウルスア

 NFL.comのMark Dulgerianは、ウルスアがスロットのみの候補であり、スキームに依存することや平均スピードの面において、NFLで生き残っていくうえで困難な戦いを強いられることになるとしています*13
全体の中でも注目していた選手の1人で、スロットでの活躍になるだろうとシュナイダーは語ります。サイズの小ささを、突発性や一瞬の引き離しの力が埋め合わせるとしています。2020年6巡目指名権と、7巡目でのウルスアの獲得のトレードについて、7巡目ともなると出身や、個別的ワークアウトがあったか、どれだけ接触していたかを考えるが、彼は我々との接触が多く、ルーキーFAで契約できなくなることを心配した、ということを明かしています*14

2019ドラフト振り返り

 シーホークスはこのドラフトで11名の新人を指名しました。以下、改めてまとめておきます。

Round 1 • Pick 29 • DE L.J. Collier
Round 2 • Pick 47 • SS Marquise Blair
Round 2 • Pick 64 • WR D.K. Metcalf
Round 3 • Pick 88 • LB Cody Barton
Round 4 • Pick 120 • WR Gary Jennings
Round 4 • Pick 124 • G Phil Haynes
Round 4 • Pick 132 • FS Ugo Amadi
Round 5 • Pick 142 • LB Ben Burr-Kirven
Round 6 • Pick 204 • RB Travis Homer
Round 6 • Pick 209 • DT Demarcus Christmas
Round 7 • Pick 236 • WR John Ursua

 ジョン・シュナイダーの代名詞ともいえるかもしれませんが、ドラフトでの指名権トレードが今年もさかんに行われました。下図はその流れをまとめたものです。RはRound、PはPickを表します。俯瞰してみると1巡目21位指名権の変化はすさまじく、またメットカルフを得た2巡目64位指名はその機会を逃すことのないよう、それまでに獲得した指名権を非常に有効に使って作り出したものだと分かります。クラークがトレードされ、DEの獲得は必須だったと思われますが、最初にあった1巡目の2つの指名権のうち一方をDEに、もう一方を指名権増加に使い、補強ポイントをカバーできる大量の指名につなげたようです。1巡目21位指名は実際、6つもの指名に変化することになりました。


 個人的にはDEをもう少し指名し、OLの強化も図るのではないかと思いましたが、ボールドウィンの引退を考慮してウィルソンのターゲット層の強化を図ることが優先されたようです。またSの指名によってアール・トーマスの抜けたセカンダリーの一新に注力することになりそうです。また、Sは2人を指名して両方のスポットを固めましたが、2人ともコーナーにも対応できるハイブリット型であるということがセカンダリー改善の肝であるように思います。
 そして、ピート・キャロルやジョン・シュナイダーが何度も繰り返していたように、今回のルーキーは、スペシャルチームで起用できることが重要だったようです。特にLBの指名においてそれは重視されたように思います。スペシャルチームのナイスカバーが多く見られるようになり、試合を大きく左右する原動力になっていくかもしれません。また、RBが指名されましたが、マイク・デイビスがFAで抜けたRBユニットの中で、ランゲーム中心のオフェンスに新たな風をふきこんでくれるかもしれません。これはGの指名にもつながるところがありますし、メットカルフを主軸においたプレイアクションもここに生きてくることになるでしょう。
 まだ層が薄めなDEは、ドラフト外ルーキーや残りのFA市場に期待することになりそうです。

ジャニコウスキー引退へ

 最後になりましたが、41歳のキャリア19年のベテランK、セバスチャン・ジャニコウスキーが、そのNFL人生の幕を閉じると報じられました。そのキャリアで53.29Mドルを獲得した彼は18年間レイダースに貢献し、昨年はシーホークスで活躍してくれました*15


 今回は以上です。ツイッターもフォローしていただけると幸いです。