【24】2019-2020シーズン week3 vs.Saints
QBブリーズが怪我でいないセインツを攻略する期待が集まったゲームでしたが、序盤のパントリターンTD、カーソンのファンブルリカバーTDが試合を大きく決定づけるものとなりました。その他、タイムアウトのコールや4thダウンコンバージョンなどで首を傾げる展開となりました。
(1) スコア
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | |
---|---|---|---|---|---|
シーホークス | 7 | 0 | 0 | 20 | 27 |
セインツ | 7 | 13 | 7 | 6 | 33 |
(2)スタッツ
(3) 試合概要
1Q
シーホークスのオフェンスから始まりますが、TEディスリーのペナルティがあり、RBカーソンのランもショートパスも1stダウンには届かず。パントシチュエーションでもLBバーカーベンのペナルティがあって、自陣15ヤードからのパントとなります。そしてハリスのリターンでTDを決められてしまい、早速7-0とされます。続くオフェンス、カーソンのランはスリップもあって伸び悩みますが、WRモーアへのディープパスが決まります。しかし得点には結びつけられず、パントとなりますが、セインツのオフェンスではペナルティが多発し、3アンドアウトとします。直後のオフェンス、WRロケットへの32ヤードパスが決まり、カーソンも16ヤードのラン、敵陣8ヤードまで進んで、ロケットへのTDパスが決まり同点となります。相手オフェンスでカマラのランが出るも、ペナルティもあってパントとなります。
If you didn't know him before, you do now ⚜️
— New Orleans Saints (@Saints) 2019年9月22日
Deonte Harris. All. The. Way. | #NOvsSEA pic.twitter.com/U8DBbRb6hg
2Q
カーソンのラン、ロケットへのパスが続きますがパントへ。相手オフェンスも、DEグリーンやLBワグナーがカマラのランを抑え、パントとなりますが、自陣4ヤードまで蹴りこまれます。そしてカーソンのミドルのランにおいてファンブルが発生、ベルがリターンTDを決めます。続くシーホークスオフェンスはRBプロサイズがバックを務め、ショートパスやランでゲイン、QBウィルソンもスクランブルでポケットの崩壊から脱してゲインをしますが、4thダウンギャンブルをカーソンのランで成功できず、ダウンします。そして相手オフェンスでパスを次々と決められ、ミスタックルが多発してカマラのランを止められずにTDが決まってしまい、20-7と離されます。前半残り10秒から、WRメットカーフへの54ヤードのディープパスが決まったところで時間が切れます。
3Q
後半最初のセインツオフェンス、カマラの16ヤードラン、トーマスの18ヤードのランアフターキャッチで攻め込まれますが、相手のペナルティで2ndアンドロングに。フィールドゴールへ持ち込みますが、DTウッズのIllegal Formationのペナルティで1stダウンを与えてしまいます。エンドゾーン際、ワグナーやウッズのランストップもあり4thダウンとしますが、このギャンブルでTDを決まられ、3ポゼッション差とされます。オフェンスでペナルティもあり、3アンドアウトとなりますが、相手リターナーがパントキャッチに失敗、LBバートンがリカバーしてオフェンスは復活します。メットカーフやTEヴァネットへのパスは決まらないものの相手のペナルティで進み、TEディスリーへの25ヤードパスもあって敵陣14ヤードへ。しかし4th&5となり、このギャンブルをパスで試みた結果、2回目の失敗となってしまいます。続く相手オフェンスは1度1stダウンを取られるも、パントとします。
4Q
急ぐシーホークスは、ディスリーとロケットへのパスで37ヤードゲイン。相手のペナルティからの3rdダウンでWRブラウンへのパスはインコンプリート、4thダウンで再びパスを投げ、プロサイズが21ヤードゲインします。ロケットへのパスから最後はウィルソンが走ってTD、27-14となります。ディフェンスでLBライトの活躍もあって、トーマスへのパスを阻止し3アンドアウトとした後のオフェンス、TDを決めればひとすじの希望も見えるかもしれないドライブはまたしても4thダウンへ持ち込まれ、WRターナーへのディープパスは決まりませんでした。このプレーでのPIチャレンジも虚しく終わり、自陣28ヤードからの攻撃権を相手に与えてしまいます。カマラのランで時間が消費され、ライトのPIのペナルティがあって、相手オフェンスをフィールドゴールには抑えられずTDを決められます。直後、メットカーフやブラウンへのショートパス、ロケットへのディープパスが次々と決まってウィルソンのランでTD、33-21に。オンサイドキックは決まりませんが、カマラのランを止めて1stダウンを阻止したディフェンスは残り1:42をオフェンスに残します。TDを決めた後のオンサイドキックからの奇跡を誰もが願う中、ロケットへのサイドラインパス、ウィルソンのスパイクで時間を止めながら、レッドゾーンへ。相手のペナルティから1st&ゴールとなり、メットカーフへのパスプレーで再びペナルティ。しかし時間はもう残されておらず、ラストプレーでディスリーへのTDが決まり、試合は終了しました。
(4)注目選手
QBウィルソン
That’s our QB! 👏@DangeRussWilson with a 2-yard TD run!
— Seattle Seahawks (@Seahawks) 2019年9月22日
Q4: SEA 14, NO 27 pic.twitter.com/fGXF4skOPe
今回の試合のターニングポイントがカーソンのファンブルであることは明らかで、セインツが波に乗ったことに加え、これはランプレーからパスプレーへの重点のシフトを意味しました。ウィルソンは50回のパスアテンプト(キャリアハイ)で32回成功、406ヤード獲得、2TDパスを決めました。また、7ラッシュ、51ヤードを獲得し、自らもエンドゾーンに走り込んでTDを2回決めています。ポケットの崩壊とともに、自らのランを多用してサックを避けるのは、昨シーズンによく見られましたが、今シーズンではこの試合で初めて見られました。パスやスクランブルのタイミング、ポケット内外での動きが素晴らしく、周りの選手たちもウィルソンの動きにうまく対応していたことをキャロルHCは評価しています。リードされた場合、ランに重点を置くオフェンスを切り替える予定は元々キャロルにあったようで、これがウィルソンの50アテンプトにつながりました。
WRロケット
11ターゲット、154ヤード、1TDを記録し、キャリアハイのレセプションとヤードを獲得しています。1Q終盤では、エンドゾーン手前10ヤード以内からコーナールートでダブルムーヴをしてTDにつなげていました。メットカーフの2倍以上のヤード数を獲得する結果となりました。
RBプロサイズ
カーソンのファンブルのあとフィールドに登場する機会が増えましたが、ランではあまり活躍できず、ショートパスにおいて5キャッチ、38ヤードを獲得、4Qでは21ヤードを稼ぎました。次週はRBペニーが怪我から戻り、後述しますがカーソンへの信頼をキャロルが失っていないことからカーソンもフィールドに残ります。
LBライト
LBワグナーやSマクドゥーガルドなどと並んでソロタックルを4回記録、4Qにはパスブロックでオフェンスに希望をつなぎました。ただ直後にPIのペナルティがありました。
(5)課題
カーソンについて
雨のセンチュリーリンク・フィールドで、3回スリップしたカーソンは、先週に引き続いてファンブルしてしまいます。ファンブル後にすぐにベンチには下がらず、プロサイズに代わった後も4thダウンコンバージョンに参加しますが失敗、自信喪失の感を誰もが抱きました。4Qではタッチはありませんでした。キャロルは、あくまでカーソンがこれまでの試合で3度の素晴らしいパンチをくらってボールを落としたのであり、ボールセキュリティよりもディフェンスのプレーが優れていたことを強調しています。ペニーにその座を奪われるとは断定できず、むしろまだカーソンへの信頼は残っているようです。
タイムマネジメント、コール
前半終了間際、タイムアウトが2つある状況でコールせず、結果的にメットカーフへのロングパスが通ったあとにコールするも時間切れ、という信じがたい失敗がありました。試合のラストプレーでもタイムアウトはコールされませんでした。オフェンスコールについては、4th&ショートでのパスが見られ、3rd&ロングでもランが見られ、疑問が残ります。
サック0
LEOアンサがデビューを果たした試合でしたが、DTジェファーソンの2ヒットにとどまり、サックは0でした。QBブリッジウォーターのクイックパスがその原因だったようです。
ペナルティ
厳しい判定が増える中でいかに減らしていくかが問題ですが、7回で53ヤード、DTウッズのペナルティはFGのミスをTDに変えてしまう痛いものとなりました。怪我のSトンプソンがターンオーバーのセレブレーションにサイドラインから参加してペナルティを取られる場面もありました。
(6) まとめ
カーソンが何度もファンブルを重ねても、その実力が高いことは事実であり、その点も踏まえてNo.1RBであり続けることは妥当なのではないでしょうか。ただファンブルは完全に彼のセキュリティーの問題であるので、ペニーのスナップ数が増えるのは必至だと言えます。
序盤のパスディフェンスはかなり良さそうでしたが、フロントが期待に答えられませんでした。また、2015年の"I can't believe the call."を彷彿とさせる展開で、タイムマネジメントで得点の機会を逃し、オフェンスコールの誤りやペナルティで追加点を許すなど、全体的な流れが悪いものだったと思います。
参考:
1.https://www.espn.com/nfl/boxscore?gameId=401127993
2.https://www.espn.com/nfl/team/_/name/sea/seattle-seahawks
3.https://www.cbssports.com/nfl/teams/SEA/seattle-seahawks/
4.https://www.espn.com/nfl/story/_/id/27681641/pete-bad-day-carroll-injures-nose-hawks-lose