ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【37】2019-2020シーズン week16 vs.Cardinals

 NFCのライバルたちの混戦状況から、今回を含めてレギュラーシーズンの残りの試合に勝てば、NFC2位以上が確定するシーホークスでした。パスプロテクションの欠陥からパスオフェンスは大きく後退し、2人のRBを欠いてランゲームも進められないまま、相手に完全に支配されて大事な一戦を落としてしまいました。

①スコア

1Q 2Q 3Q 4Q
シーホークス 7 0 0 6 13
カーディナルス 7 10 3 7 27

②スタッツ

passing c/a yds TD INT
QBウィルソン 16/31 169 1 0
rushing car yds TD
RBカーソン 8 40 0
RBホーマー 5 16 0
receiving rec yds TD
TEホリスター 5 64 0
RBホーマー 6 26 0
defensive tot solo sacks QBhts
LBワグナー 13 7 1 1
Sマクドゥーガル 7 2 0.5 1

③注目選手

◉パスラッシュ

 個別のプレーですが、アンサのパスディフレクトのシーンや、シャキーム・グリフィンのプレッシャーからのパスインコンプリートは、微々たるもパスラッシュに貢献しました。DLの重要選手となっているグリーンは、FGブロックで活躍を見せました。

マクドゥーガル

 PDや、Sブリッツによるサックで、ディッグスがいない中で唯一の安定要素であるSとしての活躍を見せました。

④課題

◉ウィルソン

 16/31、169ヤード、1TDという無残な結果となったウィルソンは、レイティングが10.5となり、2017年week15ラムズ戦の9.9に次ぐ低さでした。対カーディナルスのホームゲームで自身の3つの最低レイティングを獲得しています。

◉パスプロテクション

 後述しますが、怪我が大きく影響しており、今回ベテランOTブラウンの代わりにジョーンズがキャリア初のLTとしてのスタートを切りました。シーズン前半にGとして活躍をしたこともあったジョーンズは、ジョージ・ファントが正式なTのバックアップにも関わらずスターターとなっています。イウパティも前半いなかった場面があり、それらも影響してか、5サック、7QBヒットを許しています。レシーバー陣は、ロケット1/8、モーア1/2、ターナー1/3、メットカーフ0/1という無残な結果となり、キャロルはこの点、プロテクションとの関連を指摘しています。メットカーフに対するパトリック・ピーターソンのカバーなども同時に影響し、カバレッジサックも生まれていたようです。

◉前半最後のタイムアウト

 前半終了間際、タイムアウトがないカーディナルスは、シーホークスタイムアウトフィールドゴールを成功させることになりました。フィッツジェラルドのキャッチが僅差で失敗だったわけですが、ほとんどTDだったと言っても差し支えありません。キャロルいわく、ボールが戻ってきた際の時間を残したかったということ、また相手のTDを防ぐための手段を講じたことが、このタイムアウトコールの理由だそうです。

⑤DTウッズ、4試合出場停止

 シーズンも佳境に入った今、様々な話題がありますが、まずはこの出場停止に触れなければなりません。ランストップで特に活躍が大きかったDTウッズがPED使用で4試合の出場停止処分となりました。彼が今シーズン中にシーホークスに戻るには、第1シードでない限り、チャンピオンシップまで勝ち進む必要があります。
 ブライアン・モネが練習生から昇格してDTに加わることとなります。今シーズンの14試合で32タックル、1サックを見せたウッズは、もとはリードの出場停止に伴う5試合の出場から始まりました。セインツ戦のフィールドゴールでセンターの位置につくというルーキー的ミスを少し思い出したりもしますが、デプスの厚くないDL陣の中で経歴もある選手であり、ゴードンに続く今季加入選手の出場停止で主要選手が減ることになるのは、49ers戦とそれに続くポストシーズンに大きく影響します。それに加えて、怪我がシーホークスの最大の問題となり始めています。

⑥カーソン今季絶望

 2Q途中、リーグ屈指のラッシャーとなっていたカーソンが尻部の怪我で今季絶望となりました。さらに、バックアップのプロサイズまでが骨折で今季絶望となり、今回の試合は唯一のRBであるホーマーのキャリーが必然的に増えることとなりました。
 ペニーを失ってからたった2週間後にRBを2人も失うというこの類を見ない非常事態だけでなく、今回の試合はそもそも先週に続いてスターターを4人欠いて臨むゲームでした。OTの要であるブラウンは手術が必要で、ラッキーでない限り復帰時期は遅れるとされています。Tファントではなく、ジョーンズがバックアップを務めましたが、チャンドラー・ジョーンズとのミスマッチが指摘されています。OLに関して言えばCのハントも、もとをたどればジャスティン・ブリットの今季絶望に伴って、Cを支えています。クラウニー、CBグリフィン、ディッグスという貴重な主要陣もインアクティブでした。

⑦BeastMode Is Back

 絶望的な状況にあっても、平等にクリスマスは訪れるということでしょうか。21世紀シーホークスの歴史を作ったマショーン・リンチが、かつてのホームに戻ることが現実となりました。さらに、シーホークスでキャリアをスタートさせたロバート・タービンとも契約が交わされました。今シーズンのみの契約なのでweek17とポストシーズンのみの出場となります。シーホークスの首脳陣は緊急時に備えて、かねてよりリンチに目を向けていたようですが、ペニーの怪我からこの動きがヒートアップしたようです。
 33歳という、選手として、ましてやRBとしては疑問視される年齢と、1年以上のブランク、という批判されるには十分すぎる要素を背負いながらも、かつてのビーストがフィールドで再び咆哮することを疑うファンはいません。ただ思い出されてしまうのは、シーホークスと袂を分かつ際の関係性です。2013年カーディナルス戦での、のちのアール・トーマスの「元ネタ」ともいえる行為や、それに続くトレーニングキャンプの8日間のホールドアウト、2016年のワイルドカードゲームへの突然の不参加など、明るみに出ているだけでもフィールド外でかなり暴れていた過去があります。
 トラビス・ホーマーという選択肢もあったわけですが、ランヘビーのオフェンスにとって、ゲームコントロールと有効的なプレイアクションのためには困難すぎる選択肢でした。しかしキャロルが、一緒にプレーしてきたバックグラウンドやそのタフさ、スピードに頼るところがあると語るなど、タービンに続くバックアップとして、ルーキーながらも将来を担う活躍を広げる可能性はあります。

⑧まとめ

 OL、RB、DT、DE、CB、Sの各ポジションでスターター不在が確実に影響していた内容となりました。キャロルは、スターターの怪我は言い訳にならない試合だったと語っており、怪我や出場停止処分で選手が減っていく中で、現行の若手たちが改善を図ってチーム全体を向上させていく必要があります。ワグナーはタックル数でリーグを牽引するLBであり続けています。LBにおいてはケンドリクスが今回復帰し、TEウィルソンも戻りました。こうしたベテランに、ハッセルベック時代からの貢献者であるリンチが加わることで、危機的状況を乗り越えていけると信じたいところです。
 カーディナルスとの対戦は、シーホークスにとってあらゆる元凶となってきました。特に過去4シーズン、終盤でのカーディナルス戦は1勝3敗となっています。十分予想できた黒星は、第1シードを遠いものとしてしまいましたが、結果的に最終週の49ers戦が正真正銘の地区優勝決定戦になります。
 シーホークスNFC順位の1、2、3、5位のいずれかでプレーオフを迎えることになります。パッカーズがライオンズ、セインツがパンサーズとの対戦であるため、シーホークス49ersに勝利することで、3位に決まる可能性が高いでしょう。

SEA GB NO
No.1 × ×
No.2 ×
No.3
No.5 × - -


参考:
https://www.espn.com/nfl/story/_/id/28341831/seahawks-dt-al-woods-suspended-four-games
https://www.espn.com/nfl/story/_/id/28347716/seahawks-rule-ot-duane-brown-injuries-mount
https://www.espn.com/nfl/story/_/id/28356160/seahawks-fear-rb-chris-carson-hip-injury-end-season
https://www.espn.com/nfl/story/_/id/28367281/seahawks-rb-marshawn-lynch-being-back-great-feeling
https://www.espn.com/blog/seattle-seahawks/post/_/id/33641/marshawn-lynch-will-give-seahawks-jolt-and-maybe-some-production-too
https://www.espn.com/nfl/story/_/id/28362887/seahawks-add-rbs-marshawn-lynch-robert-turbin
https://www.espn.com/nfl/story/_/id/10064056/epic-run-marshawn-lynch-reverberates-seattle
https://www.espn.com/nfl/team/_/name/sea/seattle-seahawks
Seahawks hope Marshawn Lynch contributes but counting on Travis Homer – ProFootballTalk
https://twitter.com/JohnPGilbertNFL/status/1209769725187821568?s=20
https://www.timescolonist.com/sports/cardinals-roll-past-playoff-bound-seahawks-in-27-13-victory-1.24040767