ネイビーウィングの翔破

シアトル・シーホークス応援ブログ

【23】2019-2020シーズン week2  vs.steelers

 
 スティーラーズに勝利を収めたシーホークスは、スーパーボウル制覇を果たした2013年以来の2勝スタートとなりました。68歳の誕生日を迎えたキャロルHC下において、NFL100周年にふさわしい100勝目を飾り、スティーラーズに対しては20年間で初勝利となりました。

スコア

1Q 2Q 3Q 4Q
シーホークス 0 7 14 7 28
スティーラーズ 0 10 3 13 26

スタッツ

passing
QBウィルソン 495
running
RBカーソン 106 RBペニー 80 トータル 223
receiving
WRメットカーフ 150 WRロケット 123 TEディスリー 62 トータル 495
tackles
LBワグナー 15 LBライト 13 CBフラワーズ 12 トータル 117
sack
DEジェファーソン 2 DEジャクソン 1 トータル 5

試合概要

<1Q>
 試合早々、DEジャクソンのサックが決まり、スティーラーズを3アンドアウトに。直後のシーホークスオフェンスはWRメットカーフへのパスも通りますが、LBワットにサックを返されてしまいます。DEクラウニーのブロックもありスティーラーズオフェンスを抑え、RBカーソンの21ヤードランやWRロケットへのショートパスからの22ヤード獲得で前進しますが、連続でサックされ得点はできません。ラン、パスともに伸びて攻め込まれるもパントに持ち込んだ後のオフェンスで、カーソンがワットのタックルでファンブル、LBバロンにリカバーされエンドゾーンへと持ち込まれます。しかし相手のペナルティでTDは免れます。
<2Q>
 DEジェファーソンがRBコナーのランをノーゲインに抑えますが、クラウニーのNeutral Zone Infractionのペナルティで前進され、さらにLBケンドリクスのPass Interferenceのペナルティでエンドゾーン前1ヤードへ(PIチャレンジも失敗)。TDで先制されます。次のシーホークスオフェンスで、カーソン、ロケット、WRターナーへのクイックパス、RBペニーのランで敵陣28ヤードまで前進しますがフィールドゴールになります。Kマイヤーズのキックは決まりますが相手のUnnecessary Roughnessで1stダウンを獲得したシーホークスは、TEディスリーへのTDパスを決め同点とします。ジャクソン、DTウッズ、LBライトのランディフェンス、LBワグナーのパスリフレクトで相手オフェンスを抑えますが、サックもあって攻められず。逆にスティーラーズのパスが好調でフィールドゴールを決められます。前半の2ミニッツ前からのオフェンス、ターナーやロケットへのパスが通りますが、メットカーフのPIとFace Maskのペナルティで15ヤード罰退、ロケットが9ヤード進むも、58ヤードのフィールドゴールは決まらずに前半は終了します。
<3Q>
 シーホークスオフェンスが3アンドアウトになった後の相手オフェンス、右肘を痛めてサイドラインに下がったQBロスリスバーガーに代わるルドルフのパスがインコンプリート、浮いたボールをSマクドゥーガルドがインターセプトします。敵陣40ヤードからメットカーフ、TEヴァネットへのパスで30ヤード獲得、再びディスリーへのパスが通ってTD、14-10と逆点します。直後の相手オフェンスで、先週に引き続きフリーフリッカーでディープパスを決められますが、DLやケンドリクスの活躍もあってフィールドゴールに抑えます。ロケットやカーソンへのクイックショートのパスを多用し、ペニーのランでビッグゲイン(リードブロッカーはウィルソン!)、そのままエンドゾーンへ。28-13と突き放します。
<4Q>
 CBグリフィンのカバーがあるも相手WRジョンソンのナイスキャッチがあったり、ルドルフがスクランブルしたりと攻め込まれ、TDを取られますが、2ポイントコンバージョンはSヒルインターセプトで阻止します。ペニーやディスリーへのショートパス、カーソンのランで進み、ロケットへのディープパスはインコンプリートとなりますが、チャレンジによってDPIとなり、敵陣35ヤードへ。カーソンのランから、メットカーフへのエンドゾーンパスでTD、再び突き放します。
CBテイラー、グリフィンのカバーもあり相手オフェンスはパントになりますが、カーソンへのハンドオフでのミスからファンブル、ターンオーバーとなり、TDを決められます。残り5:34、ディスリー、ロケットへのショートパスで1stダウンを獲得しつつ、カーソン、ペニーのラン、ウィルソンの3度のスクランブルで時間を消費、28-26でシーホークスは勝利しました。

注目選手

①QBウィルソン

 我らがQB、8年目のウィルソンはこの試合で、35回のパスアテンプト中29回成功、キャリアベストの成功率82.85%を叩き出しました。そして300ヤード、3TDを獲得、NFL史上5番目に早い200キャリアTDトスをマークします。さらにスクランブルも多かったため6ラッシュ、22ヤードを記録しています。

②TEディスリー

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 この試合でひときわ輝いていた2年目TEディスリーは、5ターゲット、50ヤード、2TDを記録しました。昨年の怪我の影響もありキャリアで6試合出場ですが、すでに通算4TDを記録するという強者になっています。相手の反則やインターセプトからTDへとつなげ、スティーラーズのメンタル的なミスからシーホークスが優位に立つうえで重要な役割を果たしたと言えます。もともとは、重点が置かれるランオフェンスにおけるパーフェクトブロッカーとしてドラフトされたディスリーですが、No.1TEとなりつつあります。

③RBペニー

 1週目に引き続きファンブルしたカーソンがサイドラインに下がり気味の中で、ペニーは10キャリー、62ヤード、1TDを記録します。3Qのランは、ビッグゲイン、さらにはTDになったため良かったですが、ラインが詰まってすぐに立ち止まり、外に出る動きをしたため、本来は酷評されてしまうものです。このような動きをロスにつなげず持ち直したのは、1巡目指名の名にふさわしいと言えます。ただ、怪我であまり冴えないルーキーイヤーを送った彼が、カーソンのバックアップであることへの批判は今なお残っているようです。

④WRロケット

 10レセプション、79ヤードを記録し、第1週の2ターゲットのみと比べ、3割超えのターゲット率となりました。パスラッシュ対策のためのショートパスが多かったこともあり、昨年から大幅に減った7.9YPCとなりました。これはスロットでの起用が多くなる前触れのようで、WRモーアが怪我から戻ると特にスロット起用は増えそうです。

⑤Sマクドゥーガル

 若い選手が多いセカンダリーが多い中で、ベテランのマクドゥーガルドは、トンプソンの怪我に対しステップアップする必要がありました。期待に応えるインターセプトで、オフェンスのTDへつなげてくれました。

⑥Sヒル

 怪我のトンプソンに代わり、3度目の先発となったヒルは、フリーフリッカーでやられてしまいましたがしっかり動きを修正し、相手の2ポイントコンバージョンをインターセプトしました。2017年の3巡目でベストタックラーとして指名された彼が、トンプソンに代わって先発となるのかはまだ微妙ですが、今後に期待は集まります。

⑦DL(ジャクソン、ウッズ、ジェファーソン)

 DTフォード、LEOアンサが不在の中で、現行のDLはその責任が増すとともに活躍を見せています。DEジャクソンは3タックル、1サックを記録しました。DTウッズはランストッパーとして、パスラッシュの役目はDTジェファーソンに譲る形です。ジェファーソンはフォードのアウトに伴ってインサイドへ移動、ディフェンスのスナップに79%登場し(フロントで最大)、アンサたちが戻るまでの重要選手となっています。ランディフェンスは現在リーグ4位となっています。

課題

①ペナルティ

 前半だけで7つ取られ、63ヤードを与えました。最終的には10個、93ヤードとなっています。7ターゲット、3キャッチ、61ヤードを記録し、キャリア初のTDを決めたWRメットカーフや、RTアイフェディのペナルティは痛いものとなりました。

②サック数


 前半に4回サックされ、先週と並びました。パスラッシュへのカウンターとしてクイックパスに切り替える形となり(平均1.89秒でパス)、後半は0サックとなりました。またこれによって、ロケットのキャッチやウィルソンの記録が伸びることとなりました。4thQではウィルソンのスクランブルも増えています。

ファンブル

 Cブリットいわく、ファンブルやハンドオフのミスでカーソンの試合内容は決まらないようです。事実、最後の4thアンド1でのランで試合を決定付けました。この起用は、好調であればすぐにフィールドへ出すというシーホークスの姿勢が現れています。このようにミスがあってもその実力を信頼される一方で、下位の選手の台頭を許すことにもつながります。
 2キャリーで7ヤード、3キャッチで13ヤードを記録したRBプロサイズは、カーソンやペニーに次ぐNo.3RBですが、2人の怪我の場合には先発の可能性もあり、バックフィールドの素早い動きの流れはシーズンを通して注目すべきものかもしれません。先週に続くボールコントロールで、少なくとも今週のカーソンのNo.1としての役割はペニーに脅かされ、ペニーの記録が若干伸びる結果となっています。

まとめ

 まだまだ勢いのあるスティーラーズをくだし、2勝スタートを切れたことが、残りのシーズンにも良い影響を及ぼしてくれることを期待したいです。ロスリスバーガーが下がってくれたこと(IR入りしてシーズン絶望の中、かつてのシーホークスQBリンチがスティーラーズの練習生として契約されました)や、相手のペナルティやディフェンスのインターセプトから得点につなげられたことが大きかったと思われます。
 WR、RB、Sの先発の動きには注目です。WRターナーが3ターゲット、3キャッチ、54ヤードを記録して、ジャロン・ブラウンの2回のペナルティからNo.3レシーバーとして投入されていました。モーアが戻るとNo.4の位置を争うことになります。WRウルスアは、ロケット、メットカーフ、モーアが先発の中で出場機会は少ないですが、ジェニングスを抑えてNFLデビューを果たしています。カーソン、ペニーに加え、先述の通りプロサイズも存在感を見せています。ベテランのマクドゥーガルドの逆サイドで、怪我が長引きそうなトンプソンとヒルがどのようにセカンダリーを形作るのかも気になります。
 先週に引き続いたカーソンのボールセキュリティー、メットカーフのペナルティ、(フリーフリッカーが狙われるパスディフェンス)は改善が必要です。また、RGフルーカーの怪我があり、OLへの影響が心配されます。

参考:
1.https://www.espn.com/nfl/team/_/name/sea/seattle-seahawks
2.https://www.cbssports.com/nfl/teams/SEA/seattle-seahawks/
3.https://profootballtalk.nbcsports.com/2019/09/15/seahawks-outlast-steelers-for-28-26-win-in-pittsburgh/